日めくりカレンダー開発 STORY

紙の日めくりを
デジタルで再現したクロック

日めくりカレンダークロックは、アデッソでも10年以上販売している人気シリーズです。通常の時計と違い、とにかく日付がメイン。
店頭、オンラインだけでなくギフト需要としても選んでいただいている商品で、現在も複数のモデルを販売しています。

8656の開発

初期の日めくりをコンセプトとした商品は、紙の日めくりの雰囲気からは遠いものが多く、いまいち「日めくり」という感じが出ていませんでした。時計の延長であるというところに、引っ張られすぎていたかもしれません。
そこで、紙の日めくりカレンダーを徹底研究し、見やすい文字のバランスに思い切って調整しました。そうして2010年に発売したのが、8656デジタル日めくり電波時計です。

8656 デジタル日めくり電波時計
(2010年発表)

予想外のヒット

8656は予想を上回るヒットとなりました。当社では記念品などでの需要を想定していましたが、予想以上にオンラインでの販売数量が伸びていました。そこでお客様の声を集めてみると、ある特定のユーザーの方たちからご支持いただいていることが分かったのです。
それは高齢者、特に初期の認知症を患っている方の家族です。お話を聞いたほとんどの方が共通の悩みを抱えていらっしゃいました。それは日付が分からなくて同居している家族が何度も聞かれる、わざわざ電話して今日は何日なのか、何曜日なのか聞いてくるといったものです。日付というのは、わからなくなると不安になるもの。今日何の日か分からなくなったり、服薬の管理も大変です。
この時計を活用いただいて、初期の認知症患者の方が自立した生活を行っていただき、かつ家族の方の負担を減らすことができていたということは大きな喜びであります。そしてこれは現在のアデッソの開発指針である、人それぞれの様々なニーズに向き合うことにつながりました。

日めくりの実用性

よく調べていくと、認知症患者の方の自立支援機器として電子カレンダーは推奨され始めているとのこと。弊社もご相談させていただいている 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部で作成されたリーフレットに詳しく紹介されていますので読んでみてください。

国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部編
「電子カレンダー」を 使ってみましょう ver.1 ―「今日の日付や予定がわかる」支援に向けて ― 」

ダウンロード

認知症の方の作業療法の専門書などにも掲載され、実際に商品を使用した利用効果検証などにも使われています。アデッソとしても研究者の方とコミュニケーションをとり、より良い商品へ改善してまいります。

「認知症をもつ人への作業療法アプローチ」(メジカルビュー社)

ありそうでなかった、
曜日表示が大きな日めくりクロック

日付が大きい商品が定着してくると、使用いただいているお客様から今度は曜日表示の大きな商品を作ってほしいというご意見を大変多くいただきました。例えば「曜日表示が小さすぎて、いつも「今日は何曜日?」と聞かれていてとても困っている」といった声です。
実際、ご高齢になり、毎日に家にいると曜日の概念がなくなり、毎日の曜日がわからなくなるそうです。
そこで弊社は今までにない、日付ではなく曜日の表示が大きい『メガ曜日日めくり電波時計 モデルHM-301』の開発に乗り出しました。従来のデジタル時計の曜日表示は、止め、はねなどの漢字のなめらかさをデジタルで表現できないため漢字に見えないという声をいただきました。とくに水曜日と木曜日が見間違えやすいとのこと。
ご高齢の方に見やすい、わかりやすい商品の開発のため、曜日表示の漢字表現の改革を実行。そこで表示上の一つの四角を4つの三角形で構成し、より自然な漢字に見えるようにしました。サイズも最大6.5㎝を実現し、ご高齢者の方にも大きく、見やすい、分かりやすい曜日表示を実現させました。

従来のデジタル時計の曜日表示とメガ曜日日めくりの表示の比較従来のデジタル時計の曜日表示とメガ曜日日めくりの表示の比較